お役立ち

介護事故を防ぐ

歩行介助

介護事故と言うのはどういうものでしょうか?

「事故」という言葉から、転倒が原因での骨折など介護中にご利用者(高齢者)の方が身体的外傷を負ってしまうことを想起します。

実際に事故報告書にも軽度な切り傷、擦り傷から、打撲、捻挫、脱臼、やけど、骨折、などのケガ、場合によっては死亡といったケースまで様々な報告が多くあります。
また、外傷以外にも、誤嚥や異食、食中毒、感染といった病気につながる事故もあります。

身体的外傷ばかりではありません。

モノの損害が出てしまうようなケースも事故です。

介護業務中における大切なモノの置き忘れや水没、破損、紛失なども介護事故となります。

ご利用者の事故だけではありません。介護する側の介護職員自身の事故も介護事故です。
一言で「事故」と言っても様々ですので、起きてしまう前に「こういったことも事故なんだ」と認識しておきましょう。

ご利用者の事故事例

事例1 ご利用者の背後から声をかけたところ、振り向きざまに転倒してしまった。

「○○さん」と少し離れたところから声をかけた。去り際、思い出したように「あ!そういえば・・」と声かけを言葉を足そうとした。
日常よくあることですね。これが事故の一因になってしまうことがあります。

事故を防止するには?

常に、転倒する可能性があることを意識し声をかけましょう。
また自立のご利用者でも足腰やバランス感覚には衰えがあることを認識し、そのことを他の職員ともアセスメントシートや申し送りなどで情報共有しましょう。

事例2 ご利用者がソファから立ち上がろうとして転倒してしまった。

ふかふかでゆったりできるソファは気持ち良いもの。ですが、高齢者にとってソファから立ち上がることが難しいタイプのソファもあります。

事故を防止するには?

身体が沈み込んだり、背もたれにすっかり寄りかかってしまうようなソファから立ち上がるのは非常に困難です。
ご利用者が使用する家具、備品は適切なものを選びましょう。

事例3 送迎車のステップを踏みはずし転倒してしまった。

ご家族の姿を見ると、つい安心感から気持ちを緩めてしまいがちです。

事故を防止するには?

送迎車からの乗降時は必ずご利用者の様子を見ながらお声がけをしつつ介助しましょう。
ご家族の方に気を取られ、足元への注意がおろそかになってしまいがちなので、十分気をつけましょう。

事例4 食事介助中にむせ込んだが、落ち着いたので再開すると、さらにむせ込みが激しくなった。

むせ込みは「よくあること」と軽視しないように。

事故を防止するには?

誤嚥について正しく認識しましょう。むせ込みが一旦落ち着いても、すぐに再開せず、看護師に相談し慎重な対応を心がけましょう。
水を飲ませたり背中をたたくと逆効果になるケースがありますので、しっかりと咳をするよう促しましょう。

モノの損害(紛失・破損)事例

事例1 訪問介護の際、業務終了後に点検を忘れ、窓が開いたまま退室。天候変化で室内がびしょ濡れになってしまった。

退室時の点検、習慣化されていますか?ご自宅でもやってしまう方は特に注意です。

事故を防止するには?

チェックシートを準備し確認すると良いでしょう。
ストーブやコンロなど火元の点検を忘れると大きな事故につながりますので、必ず忘れない対策を行ってください。

事例2 お迎えの際、持ち物をチェックせず、帰宅するタイミングになって補聴器を紛失してしまったことに気付いた。

事故を防止するには?

持ち物チェックシートを準備し、お迎えの際に確認しましょう。
入浴の場合、補聴器やメガネなど身に着けているものもはずしますので、紛失には十分気をつけてください。

事例3 排泄介助の際、誤ってご利用者のメガネを落とし破損させてしまった。

事故を防止するには?

ご利用者の体が大きく動くような場合には、身に着けているものがはずれてしまったりひっかかってしまうので、十分気をつけましょう。

事例4 清拭中、無理な姿勢で手を伸ばした際、体が棚にぶつかり大切な品を落とし破損させてしまった。

事故を防止するには?

清拭などの業務前にはその場所の状態を確認し、危ないと思われる場合は事前に移動させるなど対応しておきましょう。
また、「空間はこのくらいあれば十分」と感じても、念のため余裕を持ったスペースを確保するようにしましょう。

いかがでしたか?
介護事故は普段の生活の中で発生しています。ちょっとした予防策があれば防げた事故も少なくないでしょう。

では、もし事故が起きてしまったら・・・

適切な対応を迅速に行うこと。
そしてもう一つ。きちんと事故報告書を作成しましょう。

同じような事故を防ぐために、とても重要なことですので、「不可抗力だから仕方ない」とうやむやに片付けてしまわず、記録しておくことで今後に活かしましょう。